イメージ崩壊
入国審査の罠
圧倒的親切
🇮🇷はじめに:その「怖さ」は本物か?
「イラン」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
危ない国、砂漠、厳しい戒律、あるいは「悪の枢軸」……?
🛂パスポート・トラブルの実話
実際、リスクはゼロではありません。
私のパスポートにはイランとシリアの入国記録があるため、後の旅でこんな苦労をしました。
- アメリカ入国:ESTAが使えず、ビザ取得が必要に。
- イスラエル入国:1時間の尋問を受けました。
(これから行かれる方は、この点だけは覚悟してください…!) 私はこのあとの記事でお話するペルーに入国する際にアメリカ経由でしたが、VISAをいちいち取るは羽目になりました。
私も2014年に渡航する前は、少なからずそんな緊張感を持っていました。
しかし、実際に訪れて肌で感じたのは、それらのイメージを根底から覆すような「人懐っこさ」と「圧倒的な親切心」でした。
今回は、私がイランで体験した「優しすぎて疑ってしまった」あるエピソードと、彼らの行動の裏にある美しい文化についてお話しします。
👠「美人局(つつもたせ)」を疑って逃げた私
あれは、イランの観光地を歩いていた時のことです。
黒いチャドルを纏(まと)った、目鼻立ちのくっきりとした美しいイラン人女性が、私に近づいてきました。
「Hello! よかったら、私が街を案内してあげるわよ」
彼女の英語は驚くほど流暢で、上品でした。
笑顔も素敵で、純粋な好意のように見えます。
しかし、当時の私の頭の中で警報が鳴り響きました。
「……これは怪しい」
「見ず知らずの外国人に、こんな美人が親切にするなんて裏があるに決まってる」
「ついて行ったら、強面の男が出てきて金銭を要求されるんじゃないか(いわゆる美人局)?」
長年の海外旅行で培った「警戒心」が働き、私はその申し出を丁重に、しかし断固としてお断りしました。彼女は少し残念そうな顔をして去っていきました。
【警戒した理由】
実はイスタンブールのホステルで知り合った日本人男性から、実際に美人局被害に遭った話(高額請求、怖いお兄さんの登場、警察も非協力的…)を聞いていたのです。
このトラウマ級の話が頭をよぎり、私はイランでも身構えてしまいました。

💡旅の終わりに知った「真実」
しかし、旅を続けるうちに、私はあることに気づき始めました。
「この国の人たち、みんな親切すぎないか?」
- 🗺️ 道を尋ねれば目的地まで連れて行ってくれる。
- 🍪 市場を歩けば「これ食べていきなよ」とお菓子をくれる。
- 🏠 バスで隣になっただけで「今日、うちに泊まっていきなよ」と招待される。
そこには下心も、金銭の要求も一切ありませんでした。
そこでようやく、私は気づいたのです。
「あの時の彼女も、本当にただ親切で案内しようとしてくれただけだったんだ……」
自分の警戒心と心の狭さが、彼女の純粋な善意を跳ね除けてしまった。そう気づいた時、申し訳なさと、温かい国に来たんだという実感が同時に押し寄せてきました。
📚なぜイラン人はここまで親切なのか?
イラン人のこの驚くべき親切さには、主に2つの理由があると言われています。
1. 「客人は神からの贈り物」
イランには、古代から続く「メフマーン・ナヴァージー(Mehman-navazi)」という文化があります。
これは「客人への歓待」を意味し、「旅人をもてなすことは徳を積むことであり、家の名誉である」という考え方です。
彼らにとって親切は、特別なことではなく「当たり前の流儀」なのです。
(私たち日本人も、困っている外国人観光客にもっと積極的に声をかけてもいいのかもしれませんね。台湾の人の温かさに触れるたび、そう思います。)

2. 高い教養とプライド
イランを旅して驚いたのは、女性の教養の高さです。
イランの女性の大学進学率は非常に高く(日本と同等かそれ以上というデータもあります)、英語を流暢に操る人が珍しくありません。
彼女たちは、自分たちの国が世界から誤解されていることをよく知っています。
だからこそ、「私が親切にすることで、本当のイランの姿を知ってほしい」という、ある種の「民間アンバサダー」としての誇りを持って接してくれているのです。
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📝まとめ:心の豊かさは経済制裁では奪えない
私が訪れた2014年も、イランは厳しい経済制裁下にありました。
しかし、市場には物が溢れ、人々の心には余裕があり、旅人を受け入れる優しさがありました。

今は情勢が変わり、以前のように気軽に訪れることは難しくなってしまったかもしれません。
それでも、私は伝えたいと思います。
そこには、ニュース映像には映らない、「教養深く、誇り高く、そして世界一お節介で優しい人々」が暮らしているということを。
あの時、案内を断ってしまった彼女に、今ならこう言いたいです。
「疑ってごめんなさい。そして、あなたの国の優しさを教えてくれてありがとう」と。