クロスオリジンと同一オリジンポリシー:ウェブセキュリティの基本

はじめに

ウェブセキュリティの世界では、「同一オリジンポリシー」や「クロスオリジン」という用語が頻繁に登場します。これらは、ウェブアプリケーションのセキュリティを確保するために不可欠な概念です。本記事では、これらの概念を深掘りし、WordPressや他のウェブプラットフォームにおけるセキュリティ対策について解説します。

この記事を書くきかっけとなったのは、「フロントエンド開発のためのテスト入門 今からでも知っておきたい自動テスト戦略の必須知識」という本です、ぜひ皆さんも参考にしてみてください

同一オリジンポリシーとは

同一オリジンポリシー (Same-Origin Policy) は、ウェブブラウザが採用しているセキュリティモデルの一つで、あるオリジン (プロトコル、ドメイン、ポートが同一の組み合わせ) からのリソースが他のオリジンのリソースにアクセスすることを制限します​ このポリシーは、異なるオリジン間のスクリプトによる相互作用を制御し、悪意のあるスクリプトがユーザーのデータにアクセスするのを防ぐために設けられています。

クロスオリジンリクエストとCORS

クロスオリジンリクエスト (Cross-Origin Requests) は、あるオリジンから別のオリジンへリソースを要求することを指します。これを可能にするための仕組みが、クロスオリジンリソースシェアリング (CORS: Cross-Origin Resource Sharing) です​ CORSは、サーバーが特定のオリジンからのリクエストを許可するかどうかを決定するためのHTTPヘッダーを使用します。
例えば、fetch関数を使用してクロスオリジンリクエストを行う場合、以下のように設定することができます:

fetch('https://example.com/data', { mode: 'cors' }) .then(response => response.json()) .then(data => console.log(data)) .catch(error => console.error('Error:', error));

この例では、mode: ‘cors’ が指定されているため、CORSを使用したリクエストが実行されます

ざっと説明しますと

①fetch(‘https://example.com/data’, { mode: ‘cors’ }): この行は、fetch APIを使用して、https://example.com/data エンドポイントにGETリクエストを送信します。mode: ‘cors’ オプションは、異なるオリジンのサーバーからデータをフェッチすることを許可します。

②.then(response => response.json()): この行は、fetch APIのレスポンスが成功した場合に実行される処理を定義します。response.json() メソッドは、レスポンスボディをJSONデータとして解析します。

③.then(data => console.log(data)): この行は、response.json() メソッドが成功したときに実行される処理を定義します。console.log(data) ステートメントは、JSONデータをコンソールに出力します。

④.catch(error => console.error(‘Error:’, error)): この行は、fetch APIのレスポンスが失敗した場合に実行される処理を定義します。console.error(‘Error:’, error) ステートメントは、エラーメッセージをコンソールに出力します。

​iframeとPostMessage関数

iframeは、ウェブページ内に別のウェブページを埋め込むためのHTML要素です。iframeを使用することで、異なるオリジンのコンテンツを同一ページ内に表示することができます。しかし、セキュリティの観点からは、オリジン間での通信に制約があります。これを解決するために、PostMessage関数が使用されます。

PostMessage関数を使うことで、安全に異なるオリジン間でメッセージを送受信することができます。以下は、その基本的な使用例です:

// 送信側
 iframe.contentWindow.postMessage('Hello from parent', 'https://example.com'); 

// 受信側 window.addEventListener('message', event => 
{ if (event.origin === 'https://example.com') { console.log('Received:', event.data); } });

ざっと説明しますと

1  送信側
 iframe.contentWindow.postMessage('Hello from parent', 'https://example.com');

この行は、iframe 内の contentWindow オブジェクトに postMessage メソッドを呼び出し、メッセージを送信します。

‘Hello from parent’ は、送信するメッセージの内容です。
‘https://example.com’ は、メッセージを受信できるオリジンです。

2. 受信側

// 受信側
 window.addEventListener('message', event => { if (event.origin === 'https://example.com') { console.log('Received:', event.data); } });

この部分は、window オブジェクトに addEventListener メソッドを呼び出し、message イベントリスナーを登録します。

message イベントは、別のオリジンからのメッセージを受信したときに発生します。
イベントリスナー内の if ステートメントは、メッセージの送信元が https://example.com である場合のみ処理を実行します。

console.log(‘Received:’, event.data); ステートメントは、受信したメッセージの内容をコンソールに出力します。

この方法により、異なるオリジン間でのデータ交換が安全に行えます​

Web StorageとIndexedDB

ウェブブラウザには、クライアントサイドでデータを保存するためのいくつかのAPIが用意されています。その中でも、Web Storage (ローカルストレージおよびセッションストレージ) と IndexedDB は重要です。
Web Storage はキーと値のペアを保存するための簡単な方法を提供します。これは、ユーザーのデータをブラウザ内に永続的に保存するために使用されます。

// ローカルストレージにデータを保存
 localStorage.setItem('key', 'value'); // ローカルストレージからデータを取得 let data = localStorage.getItem('key');

一方、IndexedDB はより複雑なデータを保存するためのAPIで、データベースのように動作します。これは、オフラインでのデータ保存や、大量のデータを扱う場合に有効です

CrossOrigin属性

CrossOrigin属性は、画像やスクリプトなどのリソースが異なるオリジンからロードされる場合に使用されます。これは、CORSリクエストの一部として機能し、どのようにリソースがリクエストされるかを指定します。

<img src="https://example.com/image.png" crossorigin="anonymous">

この例では、crossorigin=”anonymous” と指定することで、クロスオリジンリクエストが行われますが、クレデンシャル情報 (クッキー、認証ヘッダー) は含まれません

アクセス制限の実践

ウェブアプリケーションのセキュリティを高めるためには、適切なアクセス制限を実践することが重要です。例えば、重要なリソースやAPIエンドポイントに対しては、CORSポリシーを設定して、特定のオリジンからのアクセスのみを許可するようにします。また、サーバーサイドでの認証と認可を実装することも不可欠です。
さらに、Content Security Policy (CSP) を使用して、スクリプトの実行やリソースのロードを制限することも推奨されます。これにより、XSS攻撃やデータの盗難を防ぐことができます。

<meta http-equiv="Content-Security-Policy" content="default-src 'self'; script-src 'self' https://trusted.cdn.com;">

この設定により、自分のドメインと信頼できるCDNからのみスクリプトがロードされるようになります​

最後に

同一オリジンポリシーとクロスオリジンリクエストの概念は、ウェブアプリケーションのセキュリティを理解し、実装する上で不可欠です。これらのポリシーを適切に設定することで、ウェブアプリケーションの安全性を大幅に向上させることができます。特にWordPressのような広く使用されるプラットフォームにおいては、これらのセキュリティ対策をしっかりと理解し、実践することが求められます。

本記事が、ウェブセキュリティの基本概念を理解し、より安全なウェブアプリケーションを構築するための一助となれば幸いです。

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